絶対、逃がさない!②(短編)
「・・・こわ。

 まぁ、そんなにあきらめきれないなら、さっさと会いに行けばいいじゃん。

 おまえらしくないよ。

 そんなうじうじ、その場にとどまってるのは。

 さっさとつっぱしっていっちゃえば」

「・・・」



 つっぱしっていって、あたって砕けたら・・・どうしてくれるんだよ。

 けど、確かに・・・いつまでもこうしていても始まらない。

 

 陽菜への気持ちは変わらない。

 わざと会わないようにしたことで、よけい、募るばかりだ。



 会いに行くかな・・・あって・・・それから・・・。

 やっぱり、何よりも先に、謝らなくちゃいけないな。



「そうだよな、うじうじしてもはじまらないしな」

「そうそう。ま、ふられたら、合コンでもしよう。

 海老原、もてるから、おまえをえさにすれば、おれにだってチャンスがあるかもしれない。

 見事に、散って来い!」

「誰が、散るか!」


 
 おれは佐藤の頭をこづいた。

 けど、わかってる。

 これは佐藤なりの、励ましだったってことはーーーちゃんと、わかってる。

 


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