絶対、逃がさない!②(短編)
「それは、悲惨だな」



 数量限定メニューは、お一人様一枚までになっているのだ。それを一人で二枚買うとはルール違反だ。



「それで文句のひとつでもいってやったわけ?」

「いいや」



 ぽりぽりと福神漬けを食べながら、佐藤は首を振った。



「それがさ、前に並んでたのがそりゃあもう、きれいなお姉さまでね・・・とてもとても大盛りカツカレー二枚も買うようには見えなかったんだよな。ま、じっさい買ったんだけど。

 文句言う以前に、あまりの美しさに見ほれてしまって・・・。

 お次どうぞなんて、にっこり言われて微笑まれたら、もう黙ってうなずくしかないでしょ?

 ほんと、おれ、この学校入ってよかった。美女に、美少女に、綺麗どころが盛りだくさん。

 元女子高だけあって、世俗にまみれていないところがまたいいよなぁ」

 

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