絶対、逃がさない!②(短編)
飛び降りるように階段を、駆け下りる。
転ばないのが不思議なくらいだ。
その、おれの横を一瞬、風が通り過ぎた気がした。
風じゃない、人だ。
「悪いな、佐藤。お先!」
ささやくようにいって、おれを一瞬で抜き去っていったのは海老原だ。
早い。早すぎる。
あいつはいつも、息も乱さず、一番にたどり着いて、おれの愛する大盛りカツカレーちゃんをいつも一番で手にする。
しかも、いつもいつも、学食のおばちゃんにおまけをもらっていたりする。
ちょっと・・・いや、かなり、顔がいいからって、おばちゃんまでたぶらかすなよ。守備範囲が広すぎるぞ。おれは下は中二、上は二十までだ!
だいたい、いつも一番なんだから、おれの分も食券買ってくれたらいいのに、あいつはそうしてくれない。
御一人様一枚までだから、ずるはいけない、なんて言うんだよ。
親友のためなら、ずるしたっていいじゃないか!
あっという間に遠ざかっていく海老原の背中を恨みがましくにらんだ。
転ばないのが不思議なくらいだ。
その、おれの横を一瞬、風が通り過ぎた気がした。
風じゃない、人だ。
「悪いな、佐藤。お先!」
ささやくようにいって、おれを一瞬で抜き去っていったのは海老原だ。
早い。早すぎる。
あいつはいつも、息も乱さず、一番にたどり着いて、おれの愛する大盛りカツカレーちゃんをいつも一番で手にする。
しかも、いつもいつも、学食のおばちゃんにおまけをもらっていたりする。
ちょっと・・・いや、かなり、顔がいいからって、おばちゃんまでたぶらかすなよ。守備範囲が広すぎるぞ。おれは下は中二、上は二十までだ!
だいたい、いつも一番なんだから、おれの分も食券買ってくれたらいいのに、あいつはそうしてくれない。
御一人様一枚までだから、ずるはいけない、なんて言うんだよ。
親友のためなら、ずるしたっていいじゃないか!
あっという間に遠ざかっていく海老原の背中を恨みがましくにらんだ。