絶対、逃がさない!②(短編)

 今でも忘れられない。

 入学式の時、女子の代表で挨拶した陽菜の、凛とした姿。目に焼きついている。
 
 正直あれは、改めて、一目ぼれした瞬間だったかもしれない。



 しかし、あんなふうに新入生の前で挨拶をしてくれたおかげで、おれの周りには陽菜のファンだの、一目ぼれしただのぬかすやろうがごろごろいる。

 気が気じゃない。

 

 今までの悪行を謝って、ようやく陽菜はおれに普通に接してくれるようになったんだ。

 ま・・・あんまり、可愛すぎたからキスしちゃったりもしたけど・・・。

 それには今のところ、触れないようにして日々をすごしている。



 おれは、少しづつでも陽菜におれのこと好きになってほしいから、日々努力中だ。

 陽菜には思いっきり嫌われていた自信はあるけど・・・好きになってもらう自信はちょっと・・・微妙。

 だけど、絶対に誰にも渡さない!

 それだけは決めてる。



 だから、よけいな男は絶対に陽菜に近づけない。

 おれの初恋に、今更、割り込みなんてさせるかよ!

 初恋は叶わないなんてウソだ。

 おれは絶対に叶えてみせる。

 譲らない!
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