その名前を呼びたくて
「す、すいませんっ」



「ごめんっ」





言葉が重なった。



おそるおそる顔をあげてみると、









ふわふわな美少年が申し訳なさそうな顔をして立っていた。







「…ふわふわ……」




「え?」







……!


しまった、というには遅く。




彼は笑っていた。








「ふわふわって…大丈夫?怪我、ない?」








柔らかい物腰で聞いてくる彼に、慌てて大丈夫です、と答える。




「良かった。じゃあ」





彼が立ち去ったあと、その容姿にぴったりの甘い香りがした。
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