龍太郎一味のグダグダ会議
やがて遠くの夜空に、節操がないほどの数々の花火が華を咲かせ始める。

あまりに数が上がるものだから、今ひとつ風情に欠ける。

が、派手好きな天神らしい花火とも言える。

「火はあまり好きではないのですが…花火は綺麗だと思えます…」

縁側に座ったまま、杯の酒を呷り、小岩井は静かに呟く。

呟いてから、自らの身を包む着物に目をやった。

…恐らくは雪菜の父の着物。

しかし小岩井は訊かない。

訊けない。

己の事を雪菜に語っていない小岩井が、どうして雪菜に対して不躾に訊ねる事ができようか。

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