龍太郎一味のグダグダ会議
決して平凡な生涯ではない。

そしてそれは、傍らで氷の涙をこぼす雪菜も同様。

「貴女が泣くのはおかしいです…貴女は自分より…数奇な人生を歩んでおられる筈なのに…」

「小岩井さん…」

白い着物の袖で涙を拭いながら、雪菜は小岩井を見上げる。

「私に何か出来ませんかっ?こんな冷たい雪女の私でも、何か出来ませんかっ?私なんかが小岩井さんを助けようなんて生意気だけどっ、でもっ、でもっ」

そこまで言った雪菜に、小岩井は静かに首を横に振る。

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