龍太郎一味のグダグダ会議
「しっ、死神!」

「小岩井じゃ!小岩井 防人が現れたぞ!」

いまや天神地区の人外どもの間では、名の知れた悪霊狩りの死神。

末席ながら地区長クラスの力を持つという、悪霊処刑人。

「大勢で…どちらへ向かわれるのです…?」

無表情、抑揚のない声で呟く小岩井。

「き、貴様には関係なかろう!」

「そうじゃ、逝ね、死神!」

妖怪が、魔物が、一匹ずつ小岩井に襲い掛かる。

それを。

「ぎゃぎぃいぃいっ!」

一筋の閃光が闇夜を走り、瞬時にして二匹を両断した。

血の霧が舞う、人の気配も街灯もない路上。

「…魑魅魍魎を生者の世界で力を振るう『悪しき存在』と認定…強制的に在るべき世界へと送り返す権限を行使します」

小岩井は処刑人の剣を構えた。

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