龍太郎一味のグダグダ会議

アリスカの部屋を出て、木枯らしの吹く街を歩く一行。

大晦日という事もあって、正月の買い物をする家族連れ、カウントダウンパーティーの準備をする友人達や恋人同士が行き交う。

街はすっかり新年お祝いムードだ。

そんな中、先頭を歩く雛菊の足取りに。

「…………」

龍娘が妙に顔色を悪くする。

『雛菊さん、もしかして中華街に向かってます？』

「お、小夜ちんいい勘してるね、正解」

小夜の顔を肩越しに見て雛菊が笑う。

天神学園から少し離れた場所に、中規模ながら中華街が存在する。

この街に住む華僑（中国国籍を保持したままで、海外に移住した中国人及びその子孫）によって開かれた地区であり、日本にいながらにして本格中華料理や中国の工芸品などが手軽に購入できる。

雛菊や小夜も、放課後に立ち寄って豚まんを買って食べたりした事がある。