龍太郎一味のグダグダ会議
「ちっぽけで矮小な存在の人間にも、感謝はしないといけないかもな。ある意味俺達の生みの親なんだからさ」

暗闇の中で声がした。

視界を遮る闇の中、小岩井は迷いなくその声の方向を見る。

…廊下の壁、一人の少年が凭れ掛かって腕組みしていた。

制服は着ているようだが、この天神学園のものではない。

見た所、中学生くらいの年齢だが、天神学園中等部でもあのような制服ではない筈だ。

尤も、『彼』の容姿で年齢を判断するのはナンセンスといえた。

小岩井自身がそうであるように…。

「衣羅(いら)君…今夜は貴方が指令を持って来て下さったのですか?いつもの方ではなく?」

小岩井が呟くが。

「おい小岩井」

キッとキツイ眼差しで、その少年…衣羅は小岩井を睨む。

「『衣羅君』とは何事だ?この地区の死神じゃあ、アンタは末席だろう?いわば俺の部下も同じだ。アンタは上司を君付けで呼ぶのか?」

「……失礼しました、衣羅さん」

小岩井は反論するでもなく、頭を下げた。

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