龍太郎一味のグダグダ会議
プールへと出向く小岩井。

敢えて気配は消さない。

足音を殺す事もなく、『プールに近づいてきました』と知らしめるかのような歩調。

案の定。

「何だぁああぁ…?」

静かに揺れるプールの水面。

その水面が盛り上がり、水柱が屹立する。

「こんな夜更けに獲物が来やがったぜぇえぇぇ…」

水柱の表面に浮かび上がった、苦悶する男の顔。

一つや二つではない、何人も、何十人も。

苦しみ悶える人間の顔が、阿鼻叫喚の声と共に浮き出す。

「申し訳ありませんが、獲物ではありません」

そんな醜悪な悪霊を前にしても、小岩井は淡々と語る。

「この学園に生徒として転入するならまだしも、餌場として棲み付かれるのは些か困るのです…何より貴方…もう成仏すべき魂魄でしょう?生を捻じ曲げてこの世に居座るのは、感心できません…」

「四の五のうるせぇなぁ…」

水柱の悪霊の周囲、その水面から、更に小さな水柱が何本も上がる。

鋭い尖端を持つその水柱は、竜巻のように渦巻きながら。

「いいから食われろやぁあぁぁっ、肉体もぉおお、魂もぉおおっ…」

小岩井を『百舌のはやにえ』の如く串刺しにしようと殺到する!

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