龍太郎一味のグダグダ会議
生まれたばかり、まだ名を授かったばかりの男児、防人は、こうして小岩井家の災いや不幸を一身に受け止める『穢れ子』となった。

穢れ子。

…生きている以上、長い人生の中で必ず不幸や災難は訪れるもの。

誰が悪い訳でもなく、運命の悪戯としか言いようのない不慮の事故は付き物だ。

そんな時、振り上げた拳の先の見つからない者は、憎悪を蓄積してしまう。

そして憎悪や怨念といった負の感情を加速させてしまう。

小岩井の一族は、それを回避する為に裏の風習を設けた。

『誰か一人が負の感情を受け止めればよいではないか』

『皆の鬱憤を発散させる者がいればよいではないか』

それが穢れ子。

一族の不幸や災難を受け止める為に生かされる者。

その子が生きている限り、一族に訪れる不幸や災難は、大小関係なく『全て穢れ子の仕業』とされた。

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