龍太郎一味のグダグダ会議
恐らくは、骨董とも言えるオイルライターが年月を経て付喪神と化したのだろう。

物を燃やす。

長年その行為だけを繰り返してきたこの骨董は、やがて己の意思を持ち、『何物をも焼き尽くす』という悪しき概念を持つに至った。

何の為にではなく、誰の為にではなく、ただ焼き尽くす事だけが存在理由。

そこに善悪の観念などなく。

その付喪神は、右手のライター機構から火の玉を発する!

若干狙いは逸れたか。

小岩井の足元に着弾し、大きな炎を上げる火の玉。

赤く揺らめく炎が、闇の中の小岩井の顔を照らし出す…。

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