龍太郎一味のグダグダ会議
その夜の小岩井は、やはり天神学園敷地内には留まらなかった。

校門を出て、市街地から離れた山の方角へ。

…まだ昼間の狂乱の如き暑さがおさまらぬ深夜。

日はとうの昔に沈んだというのに、何処かで蝉の鳴き声さえ聞こえる。

雪妖には些か堪える暑さ。

それでも雪娘は根気強く、一定の距離を保って小岩井の後をつける。

…小岩井の事だ、雪娘の尾行には気付いているかもしれない。

今に振り返って、抑揚なく、それでも震え上がるような声で叱られるかもしれない。

だとしても、雪娘は歩みを止めない。

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