龍太郎一味のグダグダ会議
小岩井が足を向けたのは、山の中腹へと続く石段だった。

一歩一歩、踏み締めるようにのぼっていく小岩井。

雪娘もまた、小走りに上がる。

着物では少々石段には不向きか。

呼吸が上がり、額に汗が滲み始める。

小岩井は既に石段を上がり終え、遅れて雪娘が石段の頂上の見える位置まで来る頃。

「!!」

雪娘は咄嗟に身を低くする。

…そこは、荒れ果てた古寺らしき場所。

朽ち果てた鳥居、風雨に晒されて汚れた賽銭箱。

その前で、小岩井と異形の鎧武者が対峙していた。

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