可愛い女の子の作り方
突然、他の生徒会メンバーと親父の笑い声がこだました。
あたしと薫くんは、何が起きたのかわからず、開いた口がふさがらなかった。

「いや~。生徒会のメンバーは、皆仲がよくて、安心したよ。中でも、薫くんと沙季は隣の席で、同じクラスらしいしねぇ♪
いやはや、安心、安心♪」

「「仲良くないもんっ!!」」

あたしと薫くんの声がハモって、余計に大爆笑。

「さぁ。じゃあ、行こうか。沙季ちゃん、
生徒会室へ。」

ん?ちょっと待って。

「…今、なんて…?」

「え?だから、生徒会室に…」

うん。これは―…あれだ。また、このパターンか。
親父…。

あたしは、親父をキッと睨む。

「さ…沙季…ちゃん?」

何かを察したのか、親父はあたしの名前に
「ちゃん」をつけて呼んだが、意味もない。

「親…理事長!!??いったいどうゆうこと!?あたし、生徒会のメンバーになるなんて聞いてないし、まず、やりたくもない!!
それ以前に、あたしは女子校に行きたかったのっ。ちゃんとあたしが納得するように説明しなさいっ!!!」

あたしは、一息でそれだけ言いきった。

「すげー…。父親だとはいえ、理事長にあんだけ言えるとは…」

ふと、崇人くんの声が聞こえた。

「沙季ちゃん、怖い…。」

親父がそう言って、生徒会長の後ろに隠れた。
まったく、なんでこいつが理事長なんてできるんだか…。
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