極力ノンフィクション
いちごびより

「はぁ、美味い。
苺って本当に美味しいよね、うん」

部活や友達なんて飽きちゃって辿り着いたのはここ、屋上。
コンビニで買った期間限定苺チョコポッキーが私の不安をごまかす。
退屈なのは変わらないけど。

「はぁ、音楽でも聴くか」

買ったばかりの黒いWALKMANが誇らしい。
これに合うようにピンク色のヘッドホンも買ったんだ。
どちらかというとインディーズバンドが好き。
主に邦ロックしか聴かない。
結構な音量で流れる音、ヘッドホンから漏れてるだろうなぁ。

「まぁいいや....」

「そのバンド俺も好き」

「っ何!?」

急にヘッドホンを外された。
イラッとした。

「だから黙っといてあげるけど
そのお菓子はどうしようかな」

「え、誰?」

「まさか俺の事知らないの?」

「知らない、誰?」

その人は奥歯まで見せて笑いながら言う。

「俺は君の先生だよ。君は白花さんかな?」

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