幼なじみの甘いレシピ
とにもかくにも、早く誰かに電話して助けてもらわなくちゃ。
そう思ったわたしはスマホを目の前にかざす。
そして次の瞬間。最悪なものを見つけ、大きく目を見開いた。
「え……これって、まさか……」
スマホの画面の右上に、赤々と表示されている電池のようなマーク。
その横には、これまた赤々と“10%”の文字。
それは紛れもなく、スマホの充電が残り少ないことを告げる警告サインで。
「………」
……ちょっと。ちょっと待って。
夜の図書室にひとりで閉じこめられて。おまけにスマホは今にも充電がなくなりそうで。
さすがにこの状況は、シャレにならない……!
16歳のバレンタイン直前。
災難はこうして、突然わたしに降りかかった。