幼なじみの甘いレシピ
スマホの画面ロックを解除していると、ふと奇妙な視線をななめ下から感じた。
見ると、酔っぱらいの親父が顔をニヤつかせながら俺を見上げていた。
「……何だよ」
「電話、女からか?」
「メールだっつーの」
「おお、ラブレターか。そりゃあいい」
バカじゃねーの? と俺は白い目で親父を見る。んなアホなことばっか言ってるから、母ちゃんに小遣い減らされるんだ。
「兄ちゃん、ゲームゲーム」
としつこく絡み付いてくる弟。
「ん、後でな」
サラリとかわす俺。
「はあ~、ラブレターか。いいねえ、若いモンは」
スケベ面の目尻を下げて、「いっぺん父ちゃんにも紹介しろよ」なんて言ってる親父をスルーし、俺は2階の自室に戻った。