幼なじみの甘いレシピ
家が隣同士である俺とユイは、家族ぐるみの付き合いをしているけれど
実は俺がユイを女として好きだってことは、誰も知らない。
いや、俺は別にいつでも告白してやってもいいんだぜ。って思ってるんだが、なんせユイのやつが本ばっか読んでて全然それっぽい雰囲気にならないのだ。
仕方ねーから雰囲気作りしてやろうと思い、今日の放課後も声をかけたのに、あいつときたら完全に『本>俺』。
まったく、可愛げのない女だ。
ベッドに横になってスマホを確認すると、やっぱりメールはユイからだった。
こうして連絡をよこすなんて、正直めずらしい。ユイは極端なスマホ音痴で、3行ほどのメールを打つのに軽く5分以上かかるから。
そんなユイが俺にメールとは、何事だ?
さては今日のケンカを反省して、ワビでも入れてきたのか?
俺はすっかり勝ち誇った気分で、ピッピッピーッと華麗にスマホを操作してメールを開いた。
【都市四室と四個められた助けて】
……意味わからん。