幼なじみの甘いレシピ

「え……これって」


コータの目は、表紙に釘付けになっている。

甘い甘いチョコレートの写真に、ピンク色の文字。

そう、それはわたしからコータへの、恋の証。



“本命チョコの手作りレシピ”……。



「……ははっ」

コータの頬が、みるみる赤く染まっていく。


「これで納得した?」

「うん、したっ!」


突然、コータの両腕がわたしをきつく抱きしめた。


「やっべー。やっぱ俺、お前のこと超好きかも!」


コータの声を聞きながら、わたしは胸に湧き上がる恋の甘さにクラクラする。


わたしもだよ。
わたしもコータが、大好きだよ――。


< 60 / 62 >

この作品をシェア

pagetop