幼なじみの甘いレシピ


―――それから数日後。学校の生徒たちの話題は、新しい七不思議の噂で持ちきりになる。


その霊は夜の図書室で泣いていたり、なぜかアンパンマンの歌を歌ったりしているらしいけど、このときのわたしはそんな噂が立つことを、もちろん知るよしもない。


コータの腕に包まれながら、考えていたのは明日からの自分たちのこと。

……きっとこれからもわたし達は、たくさんケンカするんだろうな。

わたしが泣いたこと、明日になればきっとコータはからかうだろうな。


そしてわたしは、また怒るんだ。

うるさい!って。
バカコータ!って。
いつものように。


……でも、まあ、いっか。

今はこの腕が温かすぎて、しばらく離れられそうにない。




-end-

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