亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
トウェインの剣は敵のすぐ後ろに刺さっていた。
………どう出る…。
トウェインはキーツを睨み付けた。
………孤城の光が眩しい。
上手く避けられたか………しかし…もう終わりだな…。
キーツは剣を構え、敵に向き直った。
………帽子が無い。長い金髪が絹と見紛う艶と光を放っている。
孤城の明かりが、女の顔を明るくした。
………キーツはわが目を疑った。
なんだと?
そんな…。馬鹿な…。
キーツは思わず………剣を落とした。
心臓が波打つ。
身体が震える。
唇がわななく。
そんな………。
茫然とキーツは………
………口を開いた。
「―――………ローアン…?」