亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「―――糞野郎が!!まだ40しか経ってねえじゃねえか!もっと粘れ!」
眉間に皺を寄せ、ゴーガンは野獣の如く吠えた。
まだ“闇溶け”に慣れていない兵士がぽつぽつと出始めた。
ある者は全身溶け込めていなかったり、ある者は途中で意識が無くなってそのままずぶずぶと深入りしていく。
………このまま続行すると特に危険な兵士は、ジスカが“闇溶け”をして、なんとか寸前の所で保っている原形を引きずり戻した。
「―――そう上手くはいかないな」
苦悩する兵士達をただ傍観しながら、ベルトークは溜め息混じりに呟いた。
その横に、ジスカが“闇溶け”で現れた。…面倒臭ぇ―とでも言いたげな表情だ。
「――…あーあー…こんな出来ないものかね―?………俺はすぐ出来たけどなぁ―…」
首を回しながら、失敗する兵士達をかったるそうに見渡すジスカ。ベルトークは視線を逸らさず口だけ動かす。
「………馬鹿を言うな。お前とトウェイン、それとトウェインの配下達は別格だ。………一年足らずで習得したのはお前達だけだ。…出来ないのが当たり前なのだ……」
「―……なんっか…褒め言葉の筈なのに褒められている気がしない…」
「………自惚れるな」
眉間に皺を寄せ、ゴーガンは野獣の如く吠えた。
まだ“闇溶け”に慣れていない兵士がぽつぽつと出始めた。
ある者は全身溶け込めていなかったり、ある者は途中で意識が無くなってそのままずぶずぶと深入りしていく。
………このまま続行すると特に危険な兵士は、ジスカが“闇溶け”をして、なんとか寸前の所で保っている原形を引きずり戻した。
「―――そう上手くはいかないな」
苦悩する兵士達をただ傍観しながら、ベルトークは溜め息混じりに呟いた。
その横に、ジスカが“闇溶け”で現れた。…面倒臭ぇ―とでも言いたげな表情だ。
「――…あーあー…こんな出来ないものかね―?………俺はすぐ出来たけどなぁ―…」
首を回しながら、失敗する兵士達をかったるそうに見渡すジスカ。ベルトークは視線を逸らさず口だけ動かす。
「………馬鹿を言うな。お前とトウェイン、それとトウェインの配下達は別格だ。………一年足らずで習得したのはお前達だけだ。…出来ないのが当たり前なのだ……」
「―……なんっか…褒め言葉の筈なのに褒められている気がしない…」
「………自惚れるな」