亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
そんな中、オーウェンは自分から軍議をするよう提案した。
これには二人とも驚いた。
あのオーウェンが?
あの、呼びに行っても窓から脱走していたり、城壁の後ろに隠れていたり、部下の誰かを三つ編みにさせて影武者を作っていたりと、とにかく軍議嫌いなオーウェンが?
………どうしよう。城の扉がいきなり開きそうだ………世界が平和になりそうだ………。
「そこまで言わなくったって良いだろ…」
全部声に出していた二人。
何事も無かったかの様に、三人は塔の最上階の部屋で軍議を始めた。
「俺が召集したんだ。よってこの軍議の主導権は俺にある。良いか~?」
確認の様にオーウェンは言った。
怪訝な表情で二人は頷いた。
「………えーと、まず……諸君、生きてて良かったね?おめでとう。俺、おめでとう!」
「………」
「……おめでとう」
キーツだけ反応を見せた。
「………もっと喜べよ…今回の襲撃は結構ヤバかったんだろ?いつの間にか敵が侵入してたり、キーツの所まで敵が来たり…」