亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
リストはむすっとしていて、キーツは………汗かいてる。

ああ、ね。問題はやっぱりこの辺か……。


「………ま、俺は表舞台にいたから、その辺よく知らない訳よ。………これは軍議だよな?………単なる立ち話じゃあ無いよな~?……そう…真実しか無い軍議だ。………だからお二人さん………洗いざらい話せこの野郎~」

笑顔のオーウェンの顔がずいっと二人に迫った。

……やや後退する。

「湿気た面するんじゃねぇよ!!……次にいつ宣戦布告が来るか分からねぇんだぜ?………今回の戦いから、次に活かせる業を学ばなけりゃいけねぇんだ!………話し辛いか?……馬鹿言うな」

急に真剣な面持ちで怒鳴り散らすオーウェン。

………この男は怒ったら怒ったで怖い。

「特にキーツ!!お前本っ当に総団長かよ!!世界中のませた良い子が聞いて呆れるね!!いじいじする正義のヒーローを好きになる少年はいない!!多分!!……なんだよ溜め息ばっかり吐きやがって!恋する青年ですかって…」

「――違う!そういう訳では!断じて恋とか…恋とか…そんなのじゃなくてだな…」

















―――ぼろが出た…気がした。









室内は急に静かになった。


………キーツは汗、凄い。
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