亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
―――そう。
俺は欲張りだ。我が儘だ。自分勝手な野郎だ。
―――…凄惨な過去の復讐のため。一日でも早く、あの城を壊してしまいたい。
敵を皆殺しに…前に立つ者がいなくなる様に。
―――けれど…そう望んでいる筈なのに……俺の中の…いつの間にか居座ってしまったややこしい何かが………たまに酷く疼くんだ。
―――このまま。
―――こうやって笑いあえる日々が…このまま………と。