亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
………別に僕じゃなくても…。
「―――嫌なら…」
「付けます。嫌じゃないです」
思いっきり首を横に振り、真剣に考え始めた。
………どんなのが良いか…。
………一瞬…『ローアン』が良い……とか思ったが………平手が飛んできそうだ。
以前も機嫌を損ねた彼女に無表情で痛い平手を食らった。
………でもやっぱりローアンと発音が近いのが良い。
………リー……いや……ルー………。
………ルー…アン………………ルーア……。
「―――まだ?」
やや低音な声が聞こえた。
キーツは冷や汗を流した。
「………『ルア』………『ルア』が良い…」
「………ルア?」
ローアンは小首を傾げた。
……可愛い。
「………うん。短い方が良いし、良い安いかな…って…」
「………ええ。良いと思うわ。…ルア………貴方の名前はルアですって…」
小さな体を指先で撫でると、ぴくりと動いた。
(………)
視線を感じる。
………あの辺の柱から…。
恐る恐るそちらに目を向けると………。
……………怨念に塗れたギラギラした二つの目が……!!
(―――ひっ……!!)
見なきゃ良かった!好奇心って恐ろしい!
「―――嫌なら…」
「付けます。嫌じゃないです」
思いっきり首を横に振り、真剣に考え始めた。
………どんなのが良いか…。
………一瞬…『ローアン』が良い……とか思ったが………平手が飛んできそうだ。
以前も機嫌を損ねた彼女に無表情で痛い平手を食らった。
………でもやっぱりローアンと発音が近いのが良い。
………リー……いや……ルー………。
………ルー…アン………………ルーア……。
「―――まだ?」
やや低音な声が聞こえた。
キーツは冷や汗を流した。
「………『ルア』………『ルア』が良い…」
「………ルア?」
ローアンは小首を傾げた。
……可愛い。
「………うん。短い方が良いし、良い安いかな…って…」
「………ええ。良いと思うわ。…ルア………貴方の名前はルアですって…」
小さな体を指先で撫でると、ぴくりと動いた。
(………)
視線を感じる。
………あの辺の柱から…。
恐る恐るそちらに目を向けると………。
……………怨念に塗れたギラギラした二つの目が……!!
(―――ひっ……!!)
見なきゃ良かった!好奇心って恐ろしい!