亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「………馬鹿が。闇討ちのつもりだろうが、気配を隠しきれてない。………それと、イブは声がでかい」

イブはムッとした様に頬を膨らませた。

「…ふーんだ。11歳の女の子だもん。これくらい無邪気で純情そうな方がちょうど良いんです―」

「………そう考える時点でもう純情でも何でもないな。………イブ、他の者はどうした?何処にいる?」

集合をかける、と言うと、イブは目を輝かせた。………なにせ久しぶりの集合だ。これは何かあるに違いない、とイブは内心大はしゃぎだった。

「はーい!ダリルとマリアはあたしの部屋でダーツしてまっす!!!…あはーん、嘘です―。隊長ったらあからさまに顔しかめないで下さいよ―。ちゃーんと訓練してます!」

いつでも何処でもハイテンションなイブ。…正直、疲れる。
トウェインは大きく溜め息を付いた。

「………私の部屋に全員すぐに来い」

「了~解!」

イブはびしっと敬礼し、“闇溶け”をしてその場から去った。

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