亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「―――……本当に…」
「ああ。………隊長は本気だ」
「――……これは立派な命令違反だぜ……」
「………もう……隊長はどうでもいいんだろ。………規律だとか……掟だとか」
「……………総隊長に……背くことになってもか?」
「………その総隊長のために、やるんだろ………隊長はああ見えて………何処か幼いからな…」
「………………仕方…無いのか………?」
「………あの隊長の部下になった時点で………全部…仕方無いのさ」
「―――………認められたい………か」
とある騒動の、前日の夜に交わされたものだった。
―――月日は一週間前に遡る。