亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
トウェインとベルトークはゴーガン達が通って行ったであろう道を、“闇溶け”でひたすら走った。
………何故、ゴーガン隊長は…。
そう思いながらも、何処かであまり動揺していない自分もいた。
………こんな時が、いつか来るのではないかと…思っていた。
城の前の、何も無い荒野。
以前の襲撃の際に火をつけた原っぱには、まだ生々しい焼け跡があった。
その中央で、ゴーガンは鮮血を飛ばして倒れていく部下達を横目で見ていた。
ゴーガンの前方には、背丈の低い、子供のシルエットが地面から生えていた。
………白く光る目玉。そして額には、黒い第三の目が瞬きを繰り返していた。
華奢な両腕が握る短剣は、光りのごとき早さで空を切る。
ゴーガンは舌打ちをした。
「…………よりによって…相手がフェーラか。………ついてねぇぜ………」
フェーラと言われたせいなのか、相手はピクリと動いた。
………イブと同じフェーラ。………戦闘能力は通常の人間の倍。
………一発で部下が倒されるわけだ。
「………主要幹部の…リスト=サベスだな?……………そちらさんから出て来てくれるとは…有り難いこった」
………何故、ゴーガン隊長は…。
そう思いながらも、何処かであまり動揺していない自分もいた。
………こんな時が、いつか来るのではないかと…思っていた。
城の前の、何も無い荒野。
以前の襲撃の際に火をつけた原っぱには、まだ生々しい焼け跡があった。
その中央で、ゴーガンは鮮血を飛ばして倒れていく部下達を横目で見ていた。
ゴーガンの前方には、背丈の低い、子供のシルエットが地面から生えていた。
………白く光る目玉。そして額には、黒い第三の目が瞬きを繰り返していた。
華奢な両腕が握る短剣は、光りのごとき早さで空を切る。
ゴーガンは舌打ちをした。
「…………よりによって…相手がフェーラか。………ついてねぇぜ………」
フェーラと言われたせいなのか、相手はピクリと動いた。
………イブと同じフェーラ。………戦闘能力は通常の人間の倍。
………一発で部下が倒されるわけだ。
「………主要幹部の…リスト=サベスだな?……………そちらさんから出て来てくれるとは…有り難いこった」