亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
違う。違う。

嘘だ。

これは……間違っている。

私は……トウェインだ。
トウェイン=フロイア。…………トウェインだ。


誠の名だ。

本当の名前だ。


これ以外など有り得ない。
有り得ない。


「…………間違っている………違う………違う!」






………夢の中で………少女が囁いた言葉が………何度も何度も…何度も………木霊する。

頭の中を駆け巡る。


「…………っ………違っ………こんなの…………………嘘だ!………」

自分でもどうすることも出来ないくらい激しく動揺し、揺れる眼。身体の震えが止まらない。

止まらない。







怖くて……怖くて……………止まらない。


怖い。

















少女は言ったのだ。


最後に………ローアンは………。

























―――だって貴女は………。


































 ―――私だもの。
























「嘘だ…!嘘だ…!違う…私は…私は…私………は……!」













信じたくなどない。
これが真実ならば。









残酷過ぎるから。
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