亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

―――頭が………痛い……。



―――割れるようだ………!!







半分意識が無いまま、激しい頭痛に思わず起き上がった。








―――ゴンッ。










……ソファの前と後。トウェインとジスカは互いに額を押さえて、痛みに無言で悶えていた。


「…てめぇ……こ…の…石頭…」

「………糞が…石頭は貴様の方だ…」



起き上がった拍子に、ジスカに頭突きを食らわしてしまった様だ。

……ジスカはそんな近くにいたのか?………にしても…額が痛い。………瘤が出来てなければ良いが…。



「…おー…痛ぇ………ばっちり酔いが覚めたぜ………最・悪・だ…」

「………ふん……いちいち…起こす………必要が無くなったって…訳だ…」


額を擦りながら、二人は笑みを浮かべた。……内心、おかしくて仕方が無い。

………どっちも、まだまだ、ガキだ。

………こんな風に笑える。………いつかは、終わるのかもしれない。




………いつかは。











―――襲撃まで、あと数日。
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