亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
白刃取りの体勢で耐えるオーウェン。
無邪気な笑顔の後ろは、冷や汗だらだらだった。
「………どういう事だどういう事だどういう事だどういう事だどういう事だ…………」
呪文でも唱えているかの様に、キーツの低い囁きが聞こえてくる。殺気まで感じる。
怖っ。
「………聞き流そうにも聞き捨てなら無いな………一体いつ、誰が、何処で、どうして………捕虜になってるって……?」
「………キーツ君、瞳孔開いてるぜ……」
自分が不在だった間の全ての出来事を聞かされてから、キーツはただ無言で俯き、頬杖をついて座っていた。
「………どういうリアクションをとれば良いのか迷っていらっしゃる様ですね……」
可哀相に…と哀れみの目で見つめながら、アレクセイは離れた所で婦人服を丁寧にたたんでいた。
「いや、違うな。よく見ろあの耳を。……………真っ赤だ」
「―――うるさい!!」
赤面で汗をかいているキーツが大声で突っ込んだ。
刺激しない様に、オーウェンとアレクセイはひそひそと話し合う。
「無理無ぇな―………別人でも、死んだ婚約者と瓜二つの女だ。………見るだけでまだ動揺してるんだぜ?」
無邪気な笑顔の後ろは、冷や汗だらだらだった。
「………どういう事だどういう事だどういう事だどういう事だどういう事だ…………」
呪文でも唱えているかの様に、キーツの低い囁きが聞こえてくる。殺気まで感じる。
怖っ。
「………聞き流そうにも聞き捨てなら無いな………一体いつ、誰が、何処で、どうして………捕虜になってるって……?」
「………キーツ君、瞳孔開いてるぜ……」
自分が不在だった間の全ての出来事を聞かされてから、キーツはただ無言で俯き、頬杖をついて座っていた。
「………どういうリアクションをとれば良いのか迷っていらっしゃる様ですね……」
可哀相に…と哀れみの目で見つめながら、アレクセイは離れた所で婦人服を丁寧にたたんでいた。
「いや、違うな。よく見ろあの耳を。……………真っ赤だ」
「―――うるさい!!」
赤面で汗をかいているキーツが大声で突っ込んだ。
刺激しない様に、オーウェンとアレクセイはひそひそと話し合う。
「無理無ぇな―………別人でも、死んだ婚約者と瓜二つの女だ。………見るだけでまだ動揺してるんだぜ?」