亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
「……次だ。主要幹部の二人目…」
急に、具現化した男の姿がぐにゃりと形を変えたかと思うと、今度は別の姿を現した。
短い黒髪に、睨む様な目付きの紫の瞳。
先程の男とは打って変わって、ぐんと背が低くて……。
……………子供…?
「………No.3の実力を誇る………名は〈リスト=サベス〉………見ての通り、まだ13の子供だ。…しかし、子供ながらに優れた戦士だ。……油断をすると、足下をすくわれるぞ」
………ベルトークがそう言うのだ。…想像以上に強いに違いない。
……まだ13歳の兵士。……別段、驚く事ではない。こちらの部下にも同年代のダリルがいるのだから。
しかもそれ以上に年下のイブという兵士もいる。
………子供でも…容赦はしない。
「………そして最後……我々の最大の障害。…国家騎士団の最重要人物である、騎士団総団長………」
その姿が、露になった。
―――背の高い男。…青年と言ってもいいほど、まだ若々しい。
逞しい体つきに浅黒い肌。後で一つに結った茶色の長い髪。
……一番目をひいたのは、その左右色の違う瞳だ。
右目は灼熱の赤。左目は透き通る様な琥珀色。
………見て分かる。…並の人間とは比べ物にならない程の威厳と、器の大きさ。
………敵として、不足、無し。
急に、具現化した男の姿がぐにゃりと形を変えたかと思うと、今度は別の姿を現した。
短い黒髪に、睨む様な目付きの紫の瞳。
先程の男とは打って変わって、ぐんと背が低くて……。
……………子供…?
「………No.3の実力を誇る………名は〈リスト=サベス〉………見ての通り、まだ13の子供だ。…しかし、子供ながらに優れた戦士だ。……油断をすると、足下をすくわれるぞ」
………ベルトークがそう言うのだ。…想像以上に強いに違いない。
……まだ13歳の兵士。……別段、驚く事ではない。こちらの部下にも同年代のダリルがいるのだから。
しかもそれ以上に年下のイブという兵士もいる。
………子供でも…容赦はしない。
「………そして最後……我々の最大の障害。…国家騎士団の最重要人物である、騎士団総団長………」
その姿が、露になった。
―――背の高い男。…青年と言ってもいいほど、まだ若々しい。
逞しい体つきに浅黒い肌。後で一つに結った茶色の長い髪。
……一番目をひいたのは、その左右色の違う瞳だ。
右目は灼熱の赤。左目は透き通る様な琥珀色。
………見て分かる。…並の人間とは比べ物にならない程の威厳と、器の大きさ。
………敵として、不足、無し。