亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
…………たった一言の、褒め言葉。
今まで………そんな事を言ってくれる人は………キーツ以外有り得なかった。
自分をしっかりと見てくれて………認めてくれて……。
認められた。
…………ローアンの姿はもう既に視界から消え失せていたが………………リストは無意識で、頭を下げた。
込み上げる何かは、とてもくすぐったくって…………………熱かった。
「…………………………………………………………………は…い……………」
初めて…………敬意を込めて……………リストは言った。