亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~
ローアンも軍議に参加したかったが、大人しく待つことにした。
………『時』が訪れる運命の日、ローアンは戦争に荷担しようと最初は考えていたのだが、アレクセイとキーツに断固反対された。
「………ローアン様は開城するためには欠かせない鍵で御座います。そしてそれ以前に王族の人間。……あの男が憎む存在です。………開城の前も後も、真っ先に狙われるのはローアン様で御座います。………ここは目立たぬ様、どうか隠れていて下さいませ…」
「俺も同意見だ。………奴等はまず、死に物狂いで君を探すだろう。用が済めば、すぐに殺される……………抹殺すべき人間として上位に並んでいるのは、君と俺達幹部だ…………極力共にいるのは避けよう……」
―――つまり、ローアン自身、全ての駒に影響する要。
どう動くかで大きく流れが変わるのだ。
これは責任が重い。自分勝手な行動は吉と出るか、凶と出るか……。
そんなこんなで、ローアンは渋々前線から離脱することにした。
………守られるお姫様という役柄に耐えられるかどうか。
軍議が行われている中、ローアンは一階の、応接間として使われていた部屋で、ルアと一緒にぼんやりとしながら時を刻んでいた。
………この緊張感の無さは何だろうか。
不安も無ければ焦りも無い。
ただぼんやりと、半分意識を睡魔に持って行かれている様な心地だ。
………『時』が訪れる運命の日、ローアンは戦争に荷担しようと最初は考えていたのだが、アレクセイとキーツに断固反対された。
「………ローアン様は開城するためには欠かせない鍵で御座います。そしてそれ以前に王族の人間。……あの男が憎む存在です。………開城の前も後も、真っ先に狙われるのはローアン様で御座います。………ここは目立たぬ様、どうか隠れていて下さいませ…」
「俺も同意見だ。………奴等はまず、死に物狂いで君を探すだろう。用が済めば、すぐに殺される……………抹殺すべき人間として上位に並んでいるのは、君と俺達幹部だ…………極力共にいるのは避けよう……」
―――つまり、ローアン自身、全ての駒に影響する要。
どう動くかで大きく流れが変わるのだ。
これは責任が重い。自分勝手な行動は吉と出るか、凶と出るか……。
そんなこんなで、ローアンは渋々前線から離脱することにした。
………守られるお姫様という役柄に耐えられるかどうか。
軍議が行われている中、ローアンは一階の、応接間として使われていた部屋で、ルアと一緒にぼんやりとしながら時を刻んでいた。
………この緊張感の無さは何だろうか。
不安も無ければ焦りも無い。
ただぼんやりと、半分意識を睡魔に持って行かれている様な心地だ。