僕のお母さん
僕は、本を読めるのに喜んだあと、あれ?と首をかしげた。今、ルミさん“私の部屋”と、“自分の部屋”って、言ったよな……。別の部屋ってことは。
ルミさんは、書斎を出て、向かい側の部屋のドアを開けた。そこには、机とベットと本棚が綺麗においてあった。しかも、それはすべて新品のように見えた。
「ルミさん、ここは?」
僕は、自分から初めて声をかけた。それに、ルミさんも嬉しいらしく、少々顔を赤らめながら、ニッコリ笑って言った。
「椿の部屋だよ。」
僕の……部屋?僕は、今まで五、六人と同じ部屋で過ごしていた。その部屋と変わらないくらいの部屋に、ベットと机と本棚が置いてある。これが、僕の部屋なんだ。
僕は、嬉しさのあまり何も言わずに中に入り、ベットにダイビングした。施設では、三段ベットの真ん中だったから、ダイビングなんて出来なかったし、施設の布団よりふかふかしている。
「いや、そのベット前に私が使ってたんだけど、締め切り近いと、こうベットに上がるのが辛くて、この部屋に置いてあったんだ。気に入ってくれたなら嬉しいよ。」