僕のお母さん
僕は次は机へ向かう。机を撫でると新品の触り心地がした。大きな机に、ランプが置いてある。どこかにあるような、勉強机じゃ無いところがまたいい。僕は、すっかり自分の部屋を気に入ってしまった。
「本棚には、書斎から持っていったり、買った本を入れてくれ。」
本棚も、まだ何も入ってないけど、でかくて、今から何を入れようとか、本を沢山入れようとか、そういうことを考えていた。
「気に入ったか?」
僕は、黙って頷く。すごい嬉しかった。書斎から本を持ってきて読んでいいとか、自分の部屋を用意してくれたりとか……ルミさんは、本当に神様だ。僕は、あからさまに嬉しそうな顔をしていたのか、ルミさんが苦笑しながら言う。
「いつも、そうやって感情を表に出せばいい。そっちの方が、こっちも嬉しい。」
ルミさんは、ニッコリと毎度の優しい笑顔で笑う。この人が……こんなに優しい人が僕の里親になってくれるなんて、僕はなんて幸せなんだろう。
「あの……、ルミさん。あ、ありがとうございます。」
僕は、笑っているルミさんに、小さな声で下を向きながら言った。僕は、引っ込み思案で、無口で役に立たないかも知れないけど……ルミさんの笑顔をずっと見てたいな……