僕のお母さん
僕は、ルミさんと一緒に家を出た。アパートにしては、この家は広い。ルミさんは、一人で今まで住んでいたのだろうか……ルミさんは、僕を小学校に釣れていったあと、図書館に行くらしく、仕事着に着替えて、家を出た。
「どうした?さっきから、私の服装変?」
僕は、慌てて首をふる。ずっと、ルミさんのことを見ていたようだ。ルミさんは、どこの図書館で働いているのだろうか……。
「おお、ここが今日から椿が通う小学校だ。案外、家から近いね。」
いたずらっ子のように、笑うルミさん。僕もつられて笑う。さすがに、校門まで行くと、小学生が沢山いる。僕のことをジーッと見るやつもいる。俺は、思わずルミさんの服をギュッと握った。
ルミさんが、僕のことを驚いたように見る。僕は、急いで服から手を離した。ルミさんは、何も言わなかった。
「じゃあ、椿。これ、部屋の鍵。頑張れよ。」
ルミさんが、僕に手渡したのは、可愛い熊のキーホルダーが付いた鍵だった。僕は、嬉しかった。家の鍵を、一度でいいから持ってみたかった。
「はい!……あの、ルミさん。」