僕のお母さん
「ただいま。」
五時半にルミさんは、帰ってきた。少し、疲れた顔で帰ってきたルミさんは、両手に買い物バックを持っていた。どうやら、買い物もしてきたらしい。
「……おかえりなさい。」
僕は、ルミさんを見て、少し安心した。なんか、今までの気持ちがすべて、溢れだしたようだ。自分の中の変な感情が消えて、なんか軽くなったと思ったら、頬に何か伝った。
「……っ?!」
僕が、頬に手をやると、何か生暖かい濡れたものがあった。これは、世間一般的に言う、涙と言うものだろうか……僕は、自分がなんで泣いているのか、わからなかった。なんか、感動することでもあったのだろうか……
「椿?!どうしたの!なんか、痛いの?!」
ルミさんが、慌てて僕に近寄る。僕が、一番理由を知りたい。ルミさん……なんだろう、これ。
「……ルミさん。僕は、ルミさんの息子ですか?」
僕の思いがけないセリフに、ルミさんは一瞬固まったように見えた。僕自身、なんでそんなこと聞いたかわからない。でも、気づいたら口に出ていたんだ。
「椿。あんたさ、もしかして、寂しかったの?」