僕のお母さん



園長さんが、ルミさんに聞く。僕も少し気になることだ。なんで、僕なんだろうって……





僕の周りには、沢山僕よりも元気な子はいっぱいいる。実際、僕は無口で言葉を音にするのが苦手だ。





「なぜって、そりゃあの子がいいからですよ。いや、本当の話し……この間下見に来たじゃないですか。その時、あの子私に向かって、お辞儀をしたんですよ。笑っちゃう話ですよね、子供が遊んでる途中に、お辞儀ですよ?なんか、よくわからなかったんですけど、嬉しかったんですよ。」





えっ?!



僕は、自分の頭の中を一生懸命探った。いつ、自分はお辞儀したのだろうか……。確かに僕は、大人の人に会うと癖で、お辞儀をしてしまう。でも、記憶力は悪いわけじゃないし……なんで、覚えてないんだろうか。





ルミさんは、続けて園長さんに言う。





「それにね、私には子供が出来ないんです。だから、自分に似てる子がいいかなって……」




僕が、ルミさんに似てる……?自分では、思っていなかったが、ルミさんに言われて、ドアの間からルミさんの顔を見る。





実際年齢がいくつかはわからないが、かなり若く見えた。顔も整っていて、真っ直ぐな髪の毛は、白い肌に流れるように垂れていた。






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