僕のお母さん



僕には、似ても似つかないな……。僕は、ドアを開けて、中に入った。





「準備、終わりました。」





僕は、恐る恐るルミさんの顔を見る。ルミさんは、ニッコリと笑っていた。僕は慌てて目を反らす。





「じゃあ、椿。佐藤さんと、仲良くな。元気でやれよ。」





玄関で、園長さんに言われて、僕はゆっくり頷いた。やっぱり、11年過ごしたすみれ園をいなくなるのは、少し寂しかった。





僕は、ルミさんの隣でゆっくりと歩き始めた。ルミさんは、僕のペースにあわせて歩いてくれる。でも、何も話さない。二人の間には、沈黙が流れる。





僕が、何か話さなきゃいけないだろうか……僕は、ずっと歩いてるとき、考えていた。気を使うのは、うまい方だけど、無理して話すのだけは苦手な僕は、ルミさんの家に着くまで、気持ち悪い汗が絶えなかった。





「ここが、私の家よ。アパートなんだけど、ちょっと一人じゃ広いのよね。」





そういって、着いたのは青い色をした、アパートだった。その中の一つが、ルミさんの家らしい。





中に入ると、左右に部屋らしきものがあり、真っ正面にはドアがあった。





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