僕のお母さん
「はい。」
「本は好き?」
ふいの質問に少し、驚いた。答えるのに少し戸惑ったあと、僕は下を向いて答えた。
「……はい。」
すると、ルミさんはニッコリと笑ったあと、玄関のあと左右にある部屋のうちの一つを開けた。僕は、気になってその部屋を、恐る恐る覗く。
うわぁー。僕は、目を輝かせた。だって、その部屋に入った瞬間そこは、本の紙の匂いが広がった。そう、そこは、六畳ほどのところ一面に敷き詰められた本棚。並べられた本棚。入りきらなくて、外に出ている本。この部屋は、書斎と言うのがあう部屋だった。
「……すごい!」
僕は、近くにあった本を拾う。その本は、僕が読んだこと無い本だった。ウキウキする。
でも、この本やこの部屋の本は、勝手に読んでもいいんだろうか……。僕は、ルミさんを見た。ルミさんは、あははと笑って、言った。
「ここにある本は、私が集めた本だから、いつでも読んでもいいよ。しかも、私が書いた本も、私の部屋にあるから、良かったら読んでくれ。あ、あと自分の部屋に持っていって読んでもいい。」