そして、君のもとへ。~トマトときゅうり番外編~
同じ時間を過ごす
光を放っているように
君が立っていたから
すぐに見つけることが出来た
だけど
声をかけずに
しばらく見ていた
長い睫毛が頬に落ちて
影を作っている
その横顔の
なんて繊細なことだろう
不安そうに時計を見る
俺は小さく呼吸をして
靴音を立てて近づいた
振り返ったときの
あの笑顔は
他の誰にもみせたくない