その腕で抱きしめて
学校へ行くと
後ろの席の雪乃が話しかけてきた。
雪乃とは大親友で何でも話してる。
だけど、今回の事はまだ話してない。
「目腫れてるし、どうかした?」
「ちょっとね…後で話すね」
あたしは微笑んで授業中は
机に伏せていた。
昼休み、
雪乃と2人で中庭で話した。
全部話すと
「何とも言えないね…酔ってたら」
って。
………やっぱり。
あたしは考えても考えても答えが
見つからなくて…
毎日、気がつけば誠哉さんの
事ばかり。
携帯もないから、誰とも
連絡取れないし…
結局、あの日から一週間がたった。
あたしは学校が終わって
携帯だけでも取りに行こうと
誠哉さんの家まで行った。