その腕で抱きしめて











部屋に入ると、やっぱり誠哉は
あたしのベッドに入り込む。



夏でも布団が出てるから(笑)



冷房を入れてあたしは 床に座る。



沈黙が続く。


誠哉はずっと携帯を触ってて…



あんまり話してくれない。



ま、話してくれないのは
いつもの事なんだけどなぁ。





携帯をいじる誠哉はあんまり見ない。



だから、ついつい不安で…


やっぱり誠哉を信じようって思っても
心のどこかでは痛くて……



「誠哉………今日、あたし見たよ」



って、言えずにはいられなかった。




「……何を?」


って聞く誠哉は何も分かってなさそうで
あたしは立ち上がりベッドの端へ座り
顔が見えないようにした。






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