飴のち、×××【完】



「……俺も食いたいのに」


「後で買えばいいじゃんか」


「今すぐ食べたい」


我慢出来ないなんて。


子供か、お前は。


そう思い、呆れた目で奴を見上げたその時。


奴の顔が近づいてきて、唇に柔らかいものが触れた。


そしてその間から熱いものが侵入してきて、口の中にあった飴を奪い去っていった。


……今のって、いわゆるキス、だよね?


そう自覚した瞬間、全身の熱が全部顔に集まるような感覚におそわれた。


きっと頬はリンゴ並に赤く染まっているに違いない。



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