飴のち、×××【完】



玄関に着いても雨の激しさは相変わらずで。


大粒の雫が地面に強く打ち付けていた。


もう少し雨足が弱まってくれれば帰れないこともないんだけれど、さすがにこの状況の中を傘無しで帰るのは辛い。


……でもどうせ夕立だろうし。


少しここで待っていれば弱まるだろう。


そう思い、自分の下駄箱の前に座り、さっき借りたばかりの本を鞄から取り出そうとした時。


「……傘無いの?」


上からけだるそうな声が降ってきた。



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