♥恋と事件簿♥
「くだらない電話に、無駄な時間を使うな」
「私がキレたら、止められませんよ?斗真も居ないのに」
課長を下から睨み付けると、この人に効果がない事に気が付いた。
こんな事は初めてで、内心驚く。
悠呀が亡くなったあの日、一緒に病院へ来た斗真が止めてくれた。
お医者さんを突き飛ばして。
機械も壊した。
両親が駆け付けたら、看護師さんたちの指示で3人がかりで外に連れ出され、落ち着くまで入るのを禁止されたっけ。
「戻りましたー……って、どうかしました?」
「主任が暴れたら止められるかって。結果は見えてるよな」
「姉貴をキレさせないで下さい。過去を見せたくないですし、大変なんですから」
課長に話し掛けられた斗真は、私を心配そうに見てから席に座った。
斗真はどれだけ優しいんだろうか。
でもこれも、あの日からだった。
胸元に下がる指輪を握りながら、斗真の背中を見つめる。
斗真は斗真で、悠呀の形見である交通安全のお守りを握って居た。
忘れられないのは、私だけではない。
悠呀の家族。
友達。
そして、私と斗真。
「……仕事に戻りましょう」
未だに私を見下ろしてた課長にそれだけを言って、仕事を再開。
もうすぐ命日。
その日は有休を取ってある。
それまでに、終わらせたい仕事をやって置かないと。
今年こそは、ゆっくりと参りたいから。
「私がキレたら、止められませんよ?斗真も居ないのに」
課長を下から睨み付けると、この人に効果がない事に気が付いた。
こんな事は初めてで、内心驚く。
悠呀が亡くなったあの日、一緒に病院へ来た斗真が止めてくれた。
お医者さんを突き飛ばして。
機械も壊した。
両親が駆け付けたら、看護師さんたちの指示で3人がかりで外に連れ出され、落ち着くまで入るのを禁止されたっけ。
「戻りましたー……って、どうかしました?」
「主任が暴れたら止められるかって。結果は見えてるよな」
「姉貴をキレさせないで下さい。過去を見せたくないですし、大変なんですから」
課長に話し掛けられた斗真は、私を心配そうに見てから席に座った。
斗真はどれだけ優しいんだろうか。
でもこれも、あの日からだった。
胸元に下がる指輪を握りながら、斗真の背中を見つめる。
斗真は斗真で、悠呀の形見である交通安全のお守りを握って居た。
忘れられないのは、私だけではない。
悠呀の家族。
友達。
そして、私と斗真。
「……仕事に戻りましょう」
未だに私を見下ろしてた課長にそれだけを言って、仕事を再開。
もうすぐ命日。
その日は有休を取ってある。
それまでに、終わらせたい仕事をやって置かないと。
今年こそは、ゆっくりと参りたいから。